はっちゃき娘ズplus☆

左心低形成症候群の娘、きょうだい児の2人、ひとり親、ドタバタの日々。

MENU

「僕たちに会わない人生の方が幸せなんだよ、本当は」

子どもが病気を持って生まれてきた。

幾度となく振り返っては
「何が悪かったのだろう」と自分を責め、
前を見たところで何の道標もない。

過去と現在はそこで分断され、
思い描いていた未来はなくなり。

訳もわからぬままもがき苦しむ日々が、
随分と長く続いたように感じた。

 

いつ命の灯火が消えるかもわからない
子どもの存在。

懸命に生きていると知っていながらも、
アピールなどできない。

”万が一”があった時に
必要以上に傷つきたくはなかった。

 

笑うことも泣くことも怖かったあの頃。

面会に訪れる病棟が、
医師や看護師の存在が、
ほかの何よりも心強かった。

とても狭く閉鎖的な世界でだけ、
誰の目も気にせず息ができる気がした。

 

「僕たちに会わない人生の方が幸せなんだよ、本当は」

 

医師の言葉に少しの寂しさを覚えた。

子どもの病気など
何ひとつ嬉しいことはなく。

そこには知らなければよかった痛みも
数多くあった。

元気になって
その先二度と会わずに済む日が来るのなら
それは喜ばしいこと。

彼らが向き合うのは「助かる命」ばかりではない。

その立場を思うと
軽々しく言葉を返せるはずもなく、
何とも言えない気持ちになる。

 

 

それでも、心から伝えたい。

 

「出会えてよかったよ、先生」

 

数え切れないほど涙した日々の先で、
改めて過去と未来を繋ぎ合わせた。

顔を上げて前を向いて笑顔で歩んでいく。

その決断に、
この出会いは不可欠だと言い切れる。

ほかと比べようのない一生の宝だ。

 

出会えたからこそ得られた幸せなのだと、
声を大にして言いたい。

© 2015-2022 はっちゃき娘ズplus☆